インプラントは、永久歯が抜けてしまった後を補うもので、外見も本物の歯のように見えることから、乳歯、永久歯につぐ「第3の歯」「夢の永久歯」などとよばれ、非常に注目を集めています。インプラントは、虫歯や歯周病によって歯根から歯がなくなった部分に、アパタイト(リン酸カルシウム)などの合成材料でつくられた歯根や、チタンなどの金属をあごの骨に穴を開けて植え込み、接着後、上部構造とよばれる歯冠部をその歯根にかぶせる治療法です。 インプラント治療の起源はインカ帝国まで遡りますが、実際に治療が広く行われるようになったのは1940年~50年代で、チタンが使われるようになり、インプラントは飛躍的に発展しました。日本の大学病院で最初にインプラント診療科を設けた日本歯科大学病院では、1991年1月の設立から5年間でのべ1000人以上におよぶインプラント希望者が来院したが、その4分の1を占める約200~300人が骨量不足や不正咬合のために不適応、約400人がブリッジなどの従来の施術で事たりたため、結局実際にインプラント治療を行った患者は、約400人にすぎなかったそうです。 一口にインプラント義歯といっても、世...
インプラントとは、デンタルインプラントをあらわす言葉として使われますが、広義では臓器移植、またはその移植組織片のことをいいます。歯を失った人のための人工歯根のことをデンタルインプラントといい、主な手法は「ブローネマルク」「アストラテック」「ITI」「アンキロス」などがあります。現在、全世界で100以上のインプラントメーカーが存在すると言われていて、それぞれのメーカーで手術回数、治療期間、表面の性状などが違っています。 ブローネマルクインプラント ブローネマルク(ノーベルバイオケア社)は、世界中で利用されているインプラントで、30年以上の歴史があります。スウェーデンのブローネマルク博士が、骨とチタンが結合する(オッセオインテグレーション)ことを発見しそれを取り入れたインプラント法です。コストが高いのが難点で、また、インプラント体が長く、組織の損傷の可能性も高くなります。手術回数は基本的に2回で、治療期間は下顎は3ヶ月、上顎は6ヶ月が平均です。 アストラテックインプラント ブローネマルクは欠点が多く、この欠点を改善してつくられたメーカーがアストラテックインプラント(アストラテック社)です...
インプラント手術を行うためには、インプラント認定医という資格が必要です。インプラント認定医は、インプラント学会による試験、審査に合格して認定を受ける必要があります。インプラント学会には「日本口腔インプラント学会」「国際口腔インプラント学会」「日本顎顔面インプラント学会」などいくつかあります。 インプラント認定医というと専門の技術を学び経験豊かな専門医のイメージがありますが、インプラント認定医は国家資格ではなく、インプラント学会での統一した「認定基準」などもないためレベルの差にばらつきがあります。各民間の学会が独自のカリキュラムをくんで試験を実施するにすぎず、インプラント認定医という看板で安易に歯科医を選ぶことはおすすめできません。 十分な経験もないまま「インプラント認定医」の資格を掲げて開業している医師がたくさん存在しているからです。技術がない認定医でも、資金さえあれば最新設備の機器を購入して開業することができます。インプラント手術は利益率が高いので、儲け主義の医師が安易にインプラント治療を勧めることによるトラブルも急増しています。 インプラントの費用についても基準となる価格がないた...